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2023.09.25 承継ニュース

「はらほげ」を事業承継に繋いだ立役者 ~地域おこし協力隊隊員 合田晃さんインタビュー

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「うにめし食堂 はらほげ」の事業承継については、離島ということもあり、現地の方の情報やサポートが欠かせない要素となりました。
その中でも、壱岐市の「地域おこし協力隊」隊員である合田晃さんからいただいた情報は、最初にリコネルが「はらほげ」につながるきっかけともなりました。

各地域で募集が行われている「地域おこし協力隊」。
普段の活動、そして地域の課題解決にどのようにして向き合われているのか、合田さんにお話をお伺いしました。

【「地域おこし協力隊」とは?】
地域おこし協力隊は、都市地域から人口減少や高齢化等の進行が著しい地域に移住して、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこし支援や、農林水産業への従事、住民支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る取り組み。
隊員を任命するのは各地方自治体であり、活動内容や条件、待遇は、募集自治体により異なる。任期は概ね1年以上、3年以内。
(総務省:地域おこし協力隊紹介サイトより https://www.chiikiokoshitai.jp/about/)

―合田さんのことをお聞かせください。なぜ壱岐という場所を選ばれたのですか?

合田さん: 2020年10月から壱岐市の商工振興課で地域おこし協力隊隊員として働いています。
私が壱岐を選んだ理由は2つあります。
1つ目の理由は壱岐島が福岡に近かったということです。地域おこし協力隊になる前は、会社員で広告の営業職として働いていました。その時に福岡に転勤になり、2年半ほど住む機会があったのですが、住んでみて九州の魅力のとりこになりました。
2つ目の理由は、海に囲まれた壱岐の美しい風景です。 私は栃木県の出身で海のない場所で育ったため、昔から海に対する憧れがありました。
その2つの理由を満たせる場所として壱岐を選びました

壱岐はとても魅力的な場所だと思っています。 特に気に入っているのは自然環境ですが、そこに住む人たちがとても面白い人たちなのでそこに引き込まれていきました。
都会と異なるのは、「この場所にいる」意味をお持ちの方が多いんですよ。
〇〇がしたいからここにいる、こういうことをしたいから壱岐にいる、そういう想いを持っている方たちがとても多い。そういう方々と一緒に小さくても一緒に仕事を作るような経験もできるので、とても充実しています。

―普段のお仕事はどういったことをされているのですか?

合田さん: 地域おこし協力隊の仕事として、主に『就業者支援』の仕事をしています。『壱岐に移住したいけど仕事がない』という方々のサポートです。また一方で、誰か人を採りたいけど採用ができない、という壱岐島の事業者サイド側の支援も行っています。

―そういう取り組みは全国にあるのですか?

合田さん: 実は、就業支援という枠組みで活動している協力隊は全国ではそんなに多くはなく、協力隊の研修などで集まることがあるのですが、私以外でそういった内容で活動している人に会ったことがないんです。でも事業者さん側としては、事業や採用に関する悩み事などへのニーズは非常に大きいと思います。

―合田さんが「うにめし食堂 はらほげ」のことを知ったきっかけは何ですか?

合田さん: 事業者の方から人手不足に関するお悩みをお伺いする機会が多いんですが、そのご相談の中で『自分自身も続けられない』という経営者さんご自身の悩みを聞く機会があります。
「はらほげ」さんについても同様で、人手を探しながらもそういうお話を聞きながら動いている中で、今回、このような形で事業承継に繋がることになりました。

「はらほげ」さんはスムーズに後継者の方に繋がりましたが、実際はなかなか見つからないケースが多いです。
今年創業50年で長く地域に愛されてきたお店なので、これからはその伝統のいい部分を残しながら、新しい風を地域にどんどん吹かせていってもらいたいです。

―経営者サイドからの事業継続の悩み相談は多くなっているのですか?

合田さん: 地域おこし協力隊として市役所に所属しているので、一般にオープンにされる前の、少しセンシティブなお話や深いお悩み事を相談される立場にあります。そのようなご相談は常にありますね。今後4~5年でもっと増えてくるのではないかなと思っています。

私は壱岐のことしかわからないのですが、お子さんには事業を継がせず、いい学校に入っていい会社に就職してほしいと言っている経営者の方も多いです。
ご自分がその事業を続けていくことの大変さをよく知っているからこそ、自分のお子さんには敢えてご自分の事業を継がせない判断をされるのだと思います。

―リコネルでヒアリングしていても同様のお話を経営者からお伺いすることがあります。せっかく築いてきた事業をその代で事業を廃業にするというケースは多いですね。

合田さん: 「はらほげ」さんも最初そうだったんですが、やはり経営者の方々は、地域の人たちにあまりそういった話を知られなくないという気持ちも大きいです。
誰かに継いでほしいとか、もうやめようと思っているとか。そういう話は周りの人には話さないで、水面下で進めているケースが多いです。 特に壱岐は離島、島なので人と人の距離が近いこともあって、そういう噂がすぐ回ってしまうので…そこは難しいポイントだなと思います。

―確かに、周りの人に知られたくないという話もよくお聞きします。

合田さん: でも人材不足や後継者問題は、特に地方で今後どんどん深刻化してくると思います。 その解決策はまだまだ作れていない地域は多いのではないかなと。
地方自治体の中では商工振興課、商業系に関する課って必ずあると思うんですが、そういった課がもっと事業者と向き合って取り組みを進めていくのがいいんじゃないかな、と感じています。

―「地域おこし協力隊」の中にそのハブになるような方が出てくるといいですね。

合田さん: 協力隊として新しくやって来られた方は最初は地域になじむのが難しいとは思います。 でも自分の殻に閉じこもらず、積極的にコミュニケーションをとっていくと必ず力になってくださる方がたくさん出てくるのでいろんな挑戦をしてほしいですね。

私の任期は今年までなんですが、その後も壱岐に住みたいと考えています。
壱岐で仕事を作っていったり、島全体のPRにも携わりたいです。今は種をまいていっているような状態なのでそれを花開かせるような取り組みができればと思っています。

―ありがとうございました。さらなる活躍をお祈りしております。