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長崎名物のレモンステーキが
看板メニューとなっ伊万里の洋食店
親子で通う常連客も多いその味を残したい

福岡市から車で約2時間、磁器で有名な佐賀県伊万里市。緑豊かな街の川沿いにヨーロッパ風の趣ある建物の洋食店「レストラン チムニー」があります。
佐賀県の「後世に残したい店」リストにも登録されており、地元・伊万里産の牛肉を使ったレモンステーキやハンバーグが人気のお店です。ご主人の林さんにお店の魅力と今後への想いをお伺いしました。

名物メニュー人気度
世代を超えた愛され度

創業47年目の「レストラン チムニー」はオレンジ色の屋根が素敵なヨーロッパ風の佇まいの老舗洋食レストラン。
店名の「チムニー」は英語で「煙突」の意味です。昔は実際にお店の屋根に煙突があったそうです。

おすすめメニューは「レモンステーキ」(2,480円)
「レモンステーキ」とは同じ九州の長崎県佐世保市が発祥とされる、レモン風味の醤油ソースで薄切り牛肉を焼く料理。地元名産の伊万里牛のヒレ肉を使っていることで、脂がしつこくなくさっぱりと食べられます。
生レモンを皮ごと使ったソースのフレッシュな味わいとさわやかな香りが食欲をそそる、チムニー自慢の一品です。

もう一つのおすすめは、伊万里牛のひき肉を100%使用した「伊万里牛ハンバーグ」。
つなぎを使わずジューシーな肉汁と旨みがあふれだします。

「この味がここで終わりになる可能性がある」と話す店主の林 文弘さんは今年で67歳。
お子さんはいらっしゃいますが、独立して違う仕事で頑張られており、後を継がれる予定はありません。

一緒に二人三脚でお店を支えてきた奥様は
「やれるところまで頑張って、最後は有終の美を飾って終わりでもいいと思うんですが…」と話しつつも
「今まで支えてくれたお客様や地域の方々からは『もうちょっと頑張って』『味をなくして欲しくない』という声もいただいているので…」と、できれば残していきたい気持ちも見せられていました。

チムニーの開店は1976年。
林さんが当時アルバイトしていた喫茶店が新店を出すことになり、その時、まだ23歳の若さで店長に抜擢されました。料理人としては当時駆け出しだったことで、別にシェフを雇ってスタート。
シェフが以前に長崎県佐世保市のレモンステーキのお店で働いていたことから、チムニーのメニューに「レモンステーキ」が加わることになりました。
自らも料理の修行を始めた林さん。その後、お店のお客様だった奥様と結婚され、今のお店を新築して独立しました。

チムニーの一日は11時の仕込みから始まります。
厨房には、3か月肉汁やブイヨンを継ぎ足して作ったデミグラスソースを濾す林さんの姿がありました。
サラダとスープは奥様の担当。テイクアウトもOKの自家製ねぎドレッシングは評判が高く、お客さまに大人気です。

12時にランチタイムの営業が始まると、26席ある店内はたちまち満員になりました。
14時をすぎてもお客様が絶えない店内には、母娘で来られている20年来の常連さんもいらっしゃいました。
林さんはその娘さんがベビーカーに乗せられて来ていたころを覚えているそうです。
「いつ来てもここにお店があるから、まだ頑張ってるという励みになる」と話される林さんと同級生のお客様の姿も。

昼の営業が終わると買い出しへ向かう林さん。品質のいい伊万里牛をなるべく安い値段でお客様に提供できるよう、卸値で仕入れます。
夕方にお店に戻った後は、夜に使うレモンソースの仕込みを開始。夜の営業は17時半から20時まで。
取材日は平日で夜のお客様は少な目ということもあり、売上は8万弱、30人のお客様がお越しになられました。

一日の営業を終えた林さんに「47年間やってきて、一番うれしいこと」をお伺いしました。
「おじいちゃんおばあちゃんとお孫さんが一緒に『おいしかったよ』と言っている顔を見ることですね」

佐賀県の後継者不在の企業の数は10年前から比較すると約15%近く上昇しています。
2020年から佐賀県が実施している「後世に残したい店」のリストにも登録されているチムニーは、地元の人にとっても大切な味でなくすことができないお店です。この味を後世に残していくための後継者を求めています。

#後世へ残したい企業

佐賀県-Saga

レストラン チムニー

会社名

レストラン チムニー

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