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【承継済】温泉に来てくれる人と、
地域のために旅館を残したい。
愛される秘湯・古遠部温泉

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青森県平川市の碇ヶ関。青森市中心部から車で1時間ほどの県境にあるこの土地には、知る人ぞ知る名湯「古遠部温泉」があります。泉質に優れ、体の痛みを和らげる効果などが期待できるとされ、地域の住民をはじめ東北・関東・関西・四国・九州から温泉ファンが訪れます。
1984(昭和59)年の営業開始から約40年「この温泉が碇ヶ関のためになれば」と、温泉旅館を見守り続けてきた古遠部温泉の木村達夫さんの想いを聞きました。

秘められた価値度
固定ファンの多さ度

浴室の床に寝転んで流れ出すお湯を楽しめる「トド寝の聖地」

古遠部温泉は毎分500リットルが湧き出る源泉の豊富な湯量を生かした、一切加水や加温をしない源泉かけ流しの温泉が魅力です。源泉温度は42.5度で、神経痛などの改善に効果的とされています。湯治のために毎日通い詰める常連客や、西日本などの遠方から訪れる方もいます。

木村さん「温泉は普通にお湯に入るよりも、湯船の周りで横に寝転がる『トド寝』を楽しむ方が多いです。浴室の床は湯船からあふれたお湯が流れているので、その名前の通りトドのように寝そべって過ごせます。温泉愛好家の方からは『トド寝の聖地』とも呼ばれているらしく、トド寝を目当てにやってくる方も多いのではないでしょうか」

また、入浴だけでなく宿泊も可能で、女将が腕を振るう東北の山の幸・海の幸を使った食事が人気です。木村さんは「温かい食事を温かいうちに食べてもらいたい。料理のタイミングにも気を遣っている」と、宿泊客に喜んでもらうための気配りを大事にしています。

碇ヶ関の活性化のためにも、古遠部温泉はなくてはならない存在

木村さん「お湯が出たのは55年ほど前だと思います。ここは、もともと私の父が静養するための場所でした。父が亡くなり自分が使うようになり改修をして、その後、温泉施設を始めました。最初は人が来るのか不安もありましたが、古遠部温泉のファンになってくれた人や地域の人々の協力もあり、現在まで続いています。秘湯として新聞・テレビなど多くのメディアにも紹介され、全国各地から人が来てくれるようになり、温泉で体が楽になったと喜んでくれる人がいると私もうれしいです」

来てくれる人のためにも事業を続けたいと考えている木村さんは、同時に碇ヶ関への貢献も大切にしています。古遠部温泉には年間1万5千人ほどが訪れますが、その大半が碇ヶ関の道の駅の利用客です。観光資源の少ない碇ヶ関に来てもらうためにも、温泉はなくてはならない存在。古遠部温泉の事業が継続できなければ、地域にも大きな影響を与えます。

かつては碇ヶ関に12軒ほどの温泉旅館がありましたが、次々と廃業。一時期は木村さんも廃業を考えたといいます。

木村さん「廃業も考えましたが、毎日のように来てくれる常連客もいて、さまざまな方から『やめないでほしい』という声をもらいました。それに、地域の活性化のためにも事業は続けたいと思っています。ただ、私自身も年齢的な問題があるので、別荘地として売りに出したりせず、事業を続けられる人に古遠部温泉を託したいですね」

古遠部温泉の経営者として大切なのは「旅館とお客さんを愛し、大切に思う心」

木村さん「温泉の名前を頼りに遠方から来てくれる方もいるので、事業を続けてくれる方には、『古遠部温泉』の名前は残してもらいたいですね。自分の経験や知識で役立つものがあれば協力できますし、碇ヶ関のためにもこの温泉を残したいです。あとは、利益も大切ですが、心から旅館とお客さんを愛する人に事業を続けてほしいと思います。何よりも大切なのは、お客さんを大切に思う心です」

温泉に癒される人々や碇ヶ関のために温泉を守り続ける木村さん。おもてなしの気持ちと、おいしい料理、そしてこんこんと湧き出るお湯に心も体も温まる古遠部温泉は全国の人々に愛される名湯です。これからも、多くの人が笑顔になれる温泉が続いてほしいですね。

#後世へ残したい企業

青森県-Aomori

古遠部温泉

会社名

古遠部温泉

設立年月

1984(昭和59)年

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